うー。心のよどみが私を唸らせる。三連休最終日の夜。進んでいない試験勉強、何十年か続く労働、維持すべき生活。大小様々な不安が、高性能な心配性のセンサーによって目ざとく拾い集められ、先延ばしにした分だけ丹念にかき混ぜられた後、目の前に差し出される。飲用。
朝起きた時に喉が渇いているのは、空気が乾燥しているからかしらと思い、加湿機能付きの空気清浄機を購入した。思ったより大きく置く場所に迷ったが、居間の中央に鎮座させ、水を入れて電源を投入する。ブーン。勢いよく息を吸い、潤った息を吐く。春にならないと花粉症対策としての効果は分からないが、料理の匂いは速やかに消えるようになった気がした。
おー。空気のよごれを彼が唸り消す。三連休カレーランチの昼。迫りくる花粉シーズン、十年に一回のフィルター交換、とても安い一日の消費電力。大小様々な期待が高性能なにおいセンサーによって検知され、失ってしまっていた湿度分だけ補給された後、目の前に差し出された。有用。
あー。私は何かを綺麗にするだろうか。吸った空気で唸り生き、吐き出す命の潤いは。最後にフィルター交換をしたのはいつか、水は飲んだか。連休終わりの深夜、暗くなった居間から静かな音が聞こえる。ブーン。
ブーン